一から十までの漢字は、1年生の80字の中でも早い時期に出てくることの多い字です。線の数で数を表す「一・二・三」は形も覚えやすく、子どもにとっては「はじめて読めた漢字」になることもあります。
ところが、同じ「三」でも、「三(さん)」と数えるときと「三つ(みっつ)」と数えるときでは読み方がちがいます。算数で使う読みと物を数えるときの読みが入りまじるので、子どもは迷いやすくなります。
ひとつ〜とお:読み方の一覧
| 字 | 「〜つ」の形 | 数字として読むとき |
|---|---|---|
| 一 | 一つ(ひとつ) | いち |
| 二 | 二つ(ふたつ) | に |
| 三 | 三つ(みっつ) | さん |
| 四 | 四つ(よっつ) | よん・し |
| 五 | 五つ(いつつ) | ご |
| 六 | 六つ(むっつ) | ろく |
| 七 | 七つ(ななつ) | なな・しち |
| 八 | 八つ(やっつ) | はち |
| 九 | 九つ(ここのつ) | きゅう・く |
| 十 | 十(とお) | じゅう |
「ひとつ、ふたつ…」という数え方は、日本に昔からあることばの数え方です。漢字の読みとしては訓読みにあたります。一方、「いち、に、さん…」は中国から伝わった読み方がもとになった音読みです。
音読みの「いち、に、さん」は算数の数字と同じなので、子どもはこちらを先に覚えていることが多いはずです。「ひとつ、ふたつ」は話しことばとしては知っていても、それが同じ漢字で書かれると知ると、「え、三は『さん』じゃないの?」と驚く子もいます。
四・七・九には2つの読みがある
数字として読むときにも、読み方が2つある字があります。四は「よん」と「し」、七は「なな」と「しち」、九は「きゅう」と「く」です。
どちらで読むかは、続くことばで決まることが多く、「四月(しがつ)」「七五三(しちごさん)」「九九(くく)」のように、決まった読みで使うことばもあります。このうち、四月は「よんがつ」とは読みませんし、九九を「きゅうきゅう」と読むこともありません。
1年生のうちは、ルールとして教えるより、ことばごと覚えていくほうが自然です。算数で「よん」と読んでいる子に「『し』とも読むんだよ」と無理に教える必要はありません。カレンダーの「四月」を見たときに、「これは『しがつ』って読むね」と声をかける程度にしておきます。
十を「とお」と読むとき
「ひとつ、ふたつ」と数えていくと、10は「とお」になります。「十(とお)」には「つ」がつきません。ここで「とおつ」と言ってしまう子がいるのは、九までずっと「つ」がついていたからでしょう。
また、「十日(とおか)」のように、日付でも「とお」の読みが出てきます。ちなみに「一日」を「ついたち」、「二十日」を「はつか」と読むのは特別な読み方で、常用漢字表の付表にのっているものです。1年生ではまだ扱わない読みもあるので、出てきたときに教える程度で大丈夫です。
家でできる数え遊び
数え方の読みは、実際に物を数えるなかで身につきます。たとえば、次のような遊びがあります。
- おやつのクッキーを「ひとつ、ふたつ」と数えてから配る
- 階段を上りながら、一段ずつ「いち、に、さん」「ひとつ、ふたつ」と交互に数える
- 紙に「三つ」と書いて、その数だけおはじきを並べてもらう
数える物は、何でもかまいません。ただ、「本」は「いっぽん、にほん」、紙は「いちまい」のように、物によって数え方のことばが変わることがあります。子どもが「にほん」と言えたら、「同じ二でも、数える物で言い方が変わるね」と話題にしてみるのもよいでしょう。最初は「〜つ」で数えられる物を選ぶと、漢字の読みに集中できます。
3つ目の遊びは、漢字を読んで数に変える練習になります。慣れてきたら、反対に大人がおはじきを並べ、子どもが「五つ」などと書かれたカードから正しいものを選ぶ形にしてもよいでしょう。
ゲームで数える
「かんじの ほしあつめ」の「かぞえる」のステージでは、りんごや星の絵を数えて、「三つ」「八つ」などから正しいものを選びます。練習では選択肢の上に小さく読みがついていて、慣れてきたら読みなしで挑戦します。「一〜十」の字そのものの読みを練習したいときは、「かず」のステージから始めてください。
出典
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」別表 学年別漢字配当表
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1384661.htm - 文化庁「常用漢字表(平成22年内閣告示第2号)」
https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/kanji/
(文:こたえや編集部)
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