「日」は「ひ」なのか「にち」なのか。「下」は「した」なのか「か」なのか。漢字を習い始めると、1つの字にいくつも読み方があることに、子どもも大人も戸惑います。
1年生の段階で、読み方をどこまで知っていればよいのか。音読み・訓読みという区別は、いつごろ出てくるのか。学習指導要領などの公的な資料で確かめられることと、教科書や学校によってちがうことを分けて整理します。
1年生は「読める」が目標
学習指導要領では、1年生は1年生に割り当てられた漢字を「読み、漸次書き、文や文章の中で使う」ことになっています。書くことは「漸次」、つまり少しずつでよく、まずは読めることが中心です。
ここで言う「読める」は、漢字を1字だけ見て読みを言えることではなく、文や文章の中で出てきた漢字が読めることだと考えると分かりやすいでしょう。教科書でも、漢字は「山にのぼる」「先生」「一年生」のように、ことばや文の形で出てきます。
読みがいくつもある字
1年生の80字の中にも、読みがいくつもある字が少なくありません。代表的なものを挙げます。
- 日:日(ひ)がのぼる/日(にち)よう日(び)
- 生:先生(せんせい)/生(う)まれる/生(なま)たまご
- 上:上(うえ)/上(のぼ)る/上手(じょうず)
- 下:下(した)/下(くだ)る/下(さ)がる
- 大:大(おお)きい/大(だい)すき
どの読みも、1年生のうちに全部覚える必要はありません。まずは教科書や身のまわりでよく出てくることばの読みから覚え、ほかの読みはそのことばに出会ったときに一つずつ足していきます。
家で読みの練習をするときも、「日=ひ」と字と読みを1対1で覚えさせるより、「日よう日」「日がのぼる」とことばの形で読ませるほうが、別のことばで出てきたときに混乱しにくくなります。
音読み・訓読みということばを習う時期
漢字の読みには、中国から伝わった発音をもとにした「音読み」と、漢字に日本語のことばを当てた「訓読み」があります。「山」なら「さん」が音読み、「やま」が訓読みです。
この「音読み」「訓読み」ということばを授業で習う学年について、学習指導要領の国語の内容には「何年生で」という書き方が見当たりません。どの学年の単元で取り上げるかは、教科書を見て確かめることになります。お子さんの教科書でいつ出てくるかは、目次を見ると確かめられます。
また、文部科学省は「音訓の小・中・高等学校段階別割り振り表」という資料を出していて、それぞれの漢字のどの読みを小学校・中学校・高校のどの段階で指導するかの目安を示しています。ただ、これは「小学校」「中学校」という段階で分けた表で、1年生、2年生といった学年までは決めていません。
1年生のうちは「音読み」「訓読み」ということばは使わず、「山(やま)」も「富士山(ふじさん)」も同じ「山」なんだね、と話す程度にとどめておきます。音と訓の区別は、のちに習ったときに「そういえば」と思い出す材料になります。
読みがあやしいときの見分け方
文を読むときに子どもが止まる場所を見ていると、どの字の読みがあやしいかが分かります。止まった字は、その場で大人が読んで聞かせ、先へ進んでかまいません。あとで同じことばを使った短い文を一緒に読むと、もう一度その字に出会えます。
音読の宿題がある日は、それだけで読みの練習になっています。その日は家で新しく何かを足さず、宿題の音読をていねいに聞いてあげてください。
ゲームで読みの練習
「かんじの ほしあつめ」では、「大きい」「天気」のようなことばを見て、正しい読みを4つから選ぶ問題が出ます。2字以上のことばでは、問われている字の下に線が引かれるので、どの字の読みを聞かれているかが分かります。天・空・雨・白・赤・青などを集めた「そら いろ」のステージには、「白い」「青い」のように送りがなのあることばも入っています。
出典
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」第2章 第1節 国語〔第1学年及び第2学年〕〔知識及び技能〕(1)エ
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1384661.htm - 文部科学省「音訓の小・中・高等学校段階別割り振り表(平成29年3月)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1385768.htm
(文:こたえや編集部)
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